聞く、話す、読む、文法、単語、発音・・・英語勉強には主に6つの要素があります。しかし英会話の基本は、インプットしてアウトプットすること。相手の言っていることが、聞きとれないと会話が始まりません。もしあなたの目的が「英語で会話する」ことなら、まずはインプット(リスニング)を鍛えましょう。
目次
まずはリスニングを強化する理由
もちろんリスニングだけでは英会話は上達しません。英会話に大事なのは、6つの要素のバランス。自分の弱い要素を理解し、バランス良くレベルを上げていくことが英会話上達につながります。
しかし6つの要素のすべてのレベルを上げるには多大な時間がかかります。恐らく何年もかかるでしょう。それまでに挫折してしまう人も多いのではないでしょうか。
子供はリスニングからはじめる
個人差はありますが、子供は2歳くらいから言葉を話せるようになります。しかし1歳でも親の言うことは分かっています。つまり1歳ころからインプットはできるようになり、アウトプットができるのは2歳ころ。まずは聞けるようなってから、徐々に話せるようになるのです。
4歳くらいになると聞く能力も高く、話す能力も高いです。しかし語彙力はなく、発音もまだつたないので会話は幼稚。文法力も高くないので時々おかしい日本語を話します。そんな期間を何年も経て、文法や単語をおぼえ、ようやく普通の日本語が話せるようになります。
同じように英語を話すために、まずはインプットを鍛えるのは、自然なことではないでしょうか。英語を話すという点では、私たち日本人も子供のようなもの。子供が言葉をおぼえる過程はとても参考になります。
会話しながらバランスを整える
日本の英語教育は、文法と単語力を上げることに重点的です。しかし英会話に必要なのは聞く力と話す力で、単語や文法は会話しながらでも覚えられるのです。
習うより慣れろ
英会話をはじめるにあたり、(1)リスニング力をつけてから英会話に臨む(2)英会話をしながらリスニング力をつける、の2つの方法があります。
前者の場合、一定期間は教材などを使ってリスニング力を上げることになります。まずは習うというスタイルです。それに対し後者はまずは慣れるというスタイル。
習うのかが良いのか、慣れるのが良いのか。どちらも正解と思いますが、私は慣れる方を選びました。
単語だけでも、とりあえずは通じる
よく「英会話は単語を並べただけでも通じる」という意見を耳にします。私はこの意見には否定的です。たしかに単語だけでも通じる会話が多いのも事実。しかし文法が正しくないと、意味が間違って伝わり、単語だけの英会話の限界を知るでしょう。
ただ初めは、単語を並べるだけの会話が混ざっても良いと思うのです。それよりも会話で生の英語を聞くことが重要だからです。
分からない単語はタイプすれば良い
特にオンライン英会話であれば、チャットが用意されていますので、タイプすれば良いのです。簡単な英文を作り、分からない単語は辞書で調べてチャットで入力する、それだけでだいたい意味は通じます。
聞こえないと何もはじまらない
でも聞こえないと、会話は始まりません。多くの日本人が英会話でぶつかる最初の壁は「聞こえない」こと。私も例外なく苦戦を強いられました。
英語の講師は相手のレベルをみて、ゆっくり話してくれますが、それでも簡単な単語すら聞き取れないことに驚きます。聞くトレーニングをしてきていないので、仕方のないことです。
まずは聞き取れるようになるまでリスニングを鍛える、これが英会話の第一歩です。
私の場合
英会話をはじめた当初、私の英語力は決して高くありませんでした。中学校1〜2年くらいの文なら、何とか作ることができるくらいのレベルです。
私はオンライン英会話で英会話をはじめました。最初は何を言ってるか全然分からなくて、苦労の連続でした。
簡単な単語が全く聞き取れない
例えば、’model’という単語、日本では「モデル」と発音しますね。しかし英語では、「マァドゥ」という感じです。ある日のレッスンで、この’model’が聞き取れず、講師の方がゆっくり何度も言ってくれたのですが、聞き取れず。結局チャットでタイプしてもらって分かりました。
耳が慣れるのに約6ヶ月
それでも毎日レッスンを受けていて、6ヶ月くらい経った頃から、簡単な会話なら相手の言うことが分かるようになってきました。ただその間はオンライン英会話だけではなく、様々な方法でリスニングを鍛えました。
今回は私がリスニングを鍛えるのに使った方法を紹介します。
リスニング力アップに私が使ったサービス
1.NHKラジオ英会話
最初の2年間くらいはNHKラジオ英会話をかなり聞いてました。最近は聞いてないのですが、この記事を書くために久々にサイトを見て、また聞きたいなと思いました。
私が聞いていた頃は、アプリがまだなかったのですが、今はスマホアプリが充実して、いろいろな機能もあり便利です。
NHKラジオ英会話の良いところ
- 無料(テキストもあり安価)
- 継続しやすい
- 初心者にやさしい番組構成
まず、なんと言ってもこれだけのコンテンツをずっと無料で楽しめるところが魅力的です。もしテキストを見ながら聞きたいって人は、番組に沿ったテキストも書店で数百円で購入が可能。
またNHKラジオ英会話は毎週定期的に配信されます。リアルタイムで聞けなくても、放送されてから2週間くらいは、録音されているものをいつでも好きなときに視聴可能。継続性という点でも、とてもメリットがあるサービスです。
さらに初心者にとてもやさしいのも特徴です。レベルに応じていろんな番組が用意されていて、わかりやすいです。
番組は日本人とネイティブの講師2人で進行しているものが中心。ネイティブ講師が英語を話したものを、日本人が解説するという構成は、耳がなれていない初心者にはとても有り難いです。
NHKラジオ英会話のいまいちなところ
無料でこれだけのクオリティを提供してもらって、文句を言うのも心痛いのですが、あえて不満に感じた点を上げます。
- ボリュームが少ない
- 実践的ではない
定期的に配信されているのですが、1週間で数10分という量はリスニングのトレーニングとしては少ないです。他のサービスとの併用が必要です。
また発音がとても良く聞き取りやすいのですが、逆にその点が実践的ではありません。リアルな英会話ではネイティブの発音をクリアな状態で聞けることの方が少ないからです。
2.スマホアプリ
スマホアプリも英会話の勉強をはじめた頃はよく使っていましたが、リスニングにはあまり役立ちませんでした。しかし単語や文法の勉強には役立つと思います。
スマホアプリの良いところ
- 手軽にいつでも勉強できる
- ゲーム感覚で楽しめる
- レベルアップするための様々な工夫がされている
スマホアプリの良いところは、手軽に持ち運べてゲーム性があるので面白いという点です。さらに採点機能や、間違った単語の復習など、レベルアップするための様々な機能が用意されているところも特徴です。
スマホアプリのいまいちなところ
- 基本有料で課金型のものが多い
- リスニングのアプリが充実していない
- 操作を伴うので歩きながら使えない
基本的に無料で楽しめるものはない(少ない)と思います。リスニングアプリもいくつか試したのですが、どれもゲーム感覚で実践的ではありませんでした。
また当然ですが、常に操作が必要なので歩きながら利用出来ません。歩く時間や満員電車が多い人にとっては、ずっと操作を伴うのはデメリットですね。
3.ポッドキャスト
英会話をはじめて5年目くらいから最も活用しているのがポッドキャストです。歩いているときなど、合間をみつけてはポッドキャストを聞いています。
ポッドキャストの良いところ
- 無料
- 何かをしながら利用できる
- 実践的英会話を聞ける
ポッドキャストは無料で楽しめます。過去の番組も配信されていることが多いので、さかのぼって聞けるのも良いところです。またポッドキャストは聞くだけなので、何かをしながらでも利用できる点も良いです。
内容は教材的なものもありますが、多くは外国人が1人、あるいは2人でただ話しているのを聞いているだけです。なので、この中では一番リアルな英会話に触れられるサービスと思います。
ポッドキャストの注意点
ポッドキャストに関しては、「いまいち」という感じではないので、注意する点をあげてみました。
- 初心者には難しい
- 継続性に欠ける番組も多い
- 話題が合わない可能性がある
まず基本的に日本語で定期的に配信されているものは珍しいです。ほとんどが英語のみと思った方が良いです。そこが勉強になるところですが、初心者にはハードルが高いかもしれません。正直私も最初は敬遠してました。
次に注意する点は継続性。定期的に配信されていなかったり、何年も更新されていない番組も珍しくありません。内容がよく継続して視聴できるものを探すのは簡単ではありません。
またユーザーのレビューは良くても、トピックや話し手との相性で聞く気になれない番組も多々あります。人気番組は、テンションが高く騒がしいタイプのDJもよくあるのですが、私は苦手で継続出来ませんでした。
最後に
今回はリスニングをまず鍛えるということについて書きました。リスニングで耳を鍛えて会話にのぞみ、次にアウトプットを鍛え、同時に文法と単語力もつける。
私自身この方法が最も良い学習方法とは思いません。英語を仕事にしたいなら、私の勉強方法はダメだと思います。優秀な人達が出している教材の方が、早くレベルの高い英会話を身につけるには良いでしょう。
しかしそこまで英語の必要性もない忙しい社会人が、難しい英語の勉強を何年も続けられるでしょうか?私は楽しみながら覚えないと無理だと思い、教材で勉強することはしませんでした。
同じような境遇の人には、私の話は参考になるのではないかと思います。