前回は、「英語で会話できるようになるためにまずはインプットを鍛えよう」という話をしました。しかしアウトプットも、もちろん重要です。

本来インプットとアウトプットは同時に練習していくものです。しかしアウトプットは、インプット以上に時間のかかるもの。インプット力を鍛えることを優先しつつ、アウトプットを練習する時間を徐々に増やしていきましょう。

なぜアウトプットが難しいのか

一般的に「アウトプットは難しい」と言われています。TOEICや英検の上級者の方でも、アウトプットが苦手という話をSNSでよく目にします。ではなぜアウトプットは難しいのか、どうすればアウトプットが強くなるのでしょうか。

練習していない

これは私も含め多くの日本人共通の課題なのですが、そもそも学生時代に多大な時間を英語学習につぎ込みながら、アウトプットの練習が少なすぎるのです。日本の義務教育の方針に原因はあると思います。

練習方法が限られている

またアウトプットは相手が必要になるため、リスニングや文法などと比較して、練習方法が限られています。AIを使ったスマホアプリもありますが、それならオンライン英会話の方がおすすめです。

どうすればアウトプットが強くなるか

話すことを習慣にする

ではどうすれば英語を話せるようになるのでしょうか。答えはとてもシンプルで、とにかく英語を話すことです。話すことを習慣にすること。それだけで話せるようになります。

ネイティブの子供は特に勉強してなくても、英語を話せます。単純に毎日英語で会話をしているから話せるというだけです。

文法、単語は重要

とはいえ、ただ話すだけの英会話には限界があります。英会話のレベルアップには、文法と単語のスキルは欠かせません。特にアウトプットは文法力が必要になります。

アウトプットのトレーニングは3段階で

では実際に何からやれば良いのでしょうか。いきなり自由に話そうと思っても、言いたいことを英語で言えません。自分のレベルに合わせトレーニングを行うことが重要です。私は3段階の勉強方法でアウトプットを鍛えました。

  1. 日本文を英文にする(初心者向け)
  2. 質問に英語で答える(初心者向け)
  3. 自分の考えを英語で述べる(中級者以上向け)

もしあなたがアウトプットが苦手で困っているなら、自分のレベルに合わせて練習してみてください。

なお私はDMM英会話でレッスンを受けているので、以下DMM英会話の教材を紹介していますが、DMM英会話に限定する意図は全くありません。

1.日本文を英文にする

まずは英文を作るトレーニングをしましょう。日本文を英文に変えるという練習です。英文を作るトレーニングは、教材やスマホアプリなどたくさん用意されているので、簡単に見つけることができます。

「瞬間英作文トレーニング」というとても有名な本を、下のほうで紹介していますので参考にしてください。

英作文には文法力が必要

英文を作るためには、文法力が必要になります。幸い日本の英語教育は文法中心。日常会話なら、中学校英語力で十分です。

2.質問に英語で答える

英作文になれたら、次は質問に英語で答える練習をします。DMM英会話でいうと「会話」というレッスンになります。

DMM英会話「会話」レッスン

しかし簡単な質問でも、即興で英語で答えるのは難しいです。私にはとてもハードルが高かったです。そんな場合は下記を参考にしてください。

あらかじめ答えを用意しておく

私はオンライン英会話でレッスンをはじめたのですが、簡単な質問でも英語で即興で答えることはできませんでした。なので最初の数ヶ月間は、質問に対する答えを用意しておいて、それを見ながら答えていました。

リアルタイムのレッスンなのに、事前に答えを用意することへの疑問があったのも事実。しかし当時の私が即興で作る英文は、間違いだらけでした。それよりも事前に考えて答えを用意するほうが、上達の近道と考えたのです。

添削をお願いする

なお講師の方には、次の2点をお願いしました。そうすればさらに英作文能力が上がります。

  • 自分の英文がおかしくないか?
  • もっと別の(自然な)言い方がないか?

よくあるのが、文法的な間違いはなくても、不自然だったり、回りくどい英文を作ってしまうことです。これは、日本文をそのまま英文に変換しようという過程でどうしても起きてしまいます。

そんなときにもっと自然な言い方を提案してもらい、自分にないフレースはどんどん使って引き出しを増やしましょう。

慣れてきたら即興で答える

ある程度続けていたら、簡単な英文なら即興で作れるようになります。そうなったら、事前に用意するのではなく即興で答えます。用意された質問に即興で答える、これができるようになるまで1年以上かかった記憶があります。もちろん個人差はあると思いますが、多くの人がこの即興で英語で答えることの高い壁を感じることでしょう。

3.自分の考えを英語で述べる

最も実践的なトレーニング

英会話には、(1)自分の考えをまとめる(2)それを英語で表現する、という2つの作業を瞬時に行う能力が求められます。

質問に即興で答えることに慣れてきたら、特定のテーマに対する自分の考えを表現する練習をしましょう。これはアウトプットにおいて、もっとも実践的なトレーニングになります。

バランス良く鍛えられるデイリーニュース教材

私はこのトレーニングを行うために、デイリーニュース教材を用いたレッスンを選びました。ニュースの一記事を読んだあと、その記事に対する自分の考えを即興で英語で表現するトレーニングです。

現在もDMM英会話のデイリーニュース教材を用いて、毎日レッスンを受けています。デイリーニュース教材は、話す、聞く、読む、単語のどれも同時に鍛えられるのでとてもおすすめの教材です。

DMM英会話のデイリーニュース教材

フリートークは適度に

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最終的にめざすところは、決められた質問でも、テーマについて話すことでもなく、自由に即興で話すフリートークでしょう。私の目指す最終ゴールは、いろんな話題に、その場で英語で会話できる能力です。

しかし英会話のレッスンとしてはフリートークはおすすめしません。たまには良いと思いますが、レッスンとしてはフリートークよりも、何かをテーマに英会話を行うレッスンをおすすめします。

レッスンのレベルが下がることもある

フリートークをレッスンとしておすすめしない理由は、フリートークになると講師は生徒のレベルに合わせて会話のレベルを下げる可能性が高いです。下げないと会話にならないからです。

新しいフレーズや単語が生まれない

またフリートークの場合、昨日あったことや週末の予定など、日常会話が中心になります。趣味や日常の事以外はあまり話さないでしょう。どうしても自分の得意なトピックや、身の回りの話になりがちです。

しかしそれでは新しい単語やフレーズは生まれにくくなります。世の中のいろんな出来事を教材とした方が、新しいフレーズや単語を覚える機会が多いのです。

講師もゆるくなりがち

またフリートークになると、講師による添削や訂正も少なくなりがちです。自由な会話を楽しんでいるなか、話の腰を折って訂正するよりも、会話がスムーズに流れることを考えてるのかもしれません。しかし間違っているところは、どんどん指摘してもらわないと成長できません。

フリートークレッスンもたまには有効

フリートークレッスンに対し、否定的な意見を並べましたが、フリートークが悪いわけではなく、フリートークレッスンが中心となるのは良くないということです。

日常会話で使うフレーズや単語も重要です。それを身につけるために、フリートークを定期的に取り入れるのは有効でしょう。

ちなみに私はオンライン英会話以外に、週に一度、近くに住むアメリカ人のレッスンを受けています。この時は教材などは使わず、テーマも決めず、自由に会話して、ネイティブが普段使う英語を学ぶようにしています。

アウトプットに役立つツール3選

私が英会話のレッスン以外で、実際にアウトプットに利用した教材の中から、効果があり今も続けているものを3つ紹介します。

瞬間英作文トレーニング

アウトプットの練習としてかなり有名な本です。用意されている日本語を英語にするというシンプルな本です。

レベルは中学校1〜3年生レベルで、最初の方はかなり簡単です。ページごとにテーマが変わり、問題数も少ないので、継続しやすいです。

一見よくある英作文の問題集のように見えますが、この本は瞬間で英文を作ってすぐにアウトプットするというところにこだわっています。

そのため、トレーニング方法も少し変わっています。10秒以内に英作文が作れない場合は、すぐに答えの英文を見るように指示されています。

ちなみにDMM英会話ではこの本を用いたレッスンが用意されています。

DMM英会話「瞬間英作文」レッスン

NHKタイムトラベル

NHKラジオ英会話内のアウトプットを鍛えるための番組です。内容としては、「瞬間英作文トレーニング」と似ていて、日本文を英文に時間内に作るトレーニングになります。

1日10分のレッスンで、スマホでどこでもできるので、負担なく続けることができます。

レベル的には中学英語レベルで難しくはありません。目指しているところは、瞬間でアウトプットすることです。アウトプットのスピードを鍛えたい人には、おすすめの番組です。

オンタイムで聞かなくても、2週間くらいは録音されたものを好きな時間に聞くことができます。専用アプリを使えば、より便利に視聴することができます。

NHKタイムトラベルの公式サイト

SNS

3つ目は月並みですが、SNSに英文のみで投稿するという方法です。上記2つは用意された日本語を英語にするトレーニングになりますが、SNSは自分の思いを英語で表現するトレーニングになります。

文法の勉強に良い

前述しましたが、アウトプットには文法力が必要になります。誰かに見られている、残るという2つの緊張感から、正しい英文を作ろうという思いが強くなり、文法の勉強になります。

添削してもらうとなお良い

もしあなたが、オンライン英会話や英会話スクールのレッスンを受けているなら、講師にSNSの文を見てもらって添削してもらうとさらに良いです。

もしもレッスンも受けていない場合は、Google翻訳などの翻訳ソフトに入力してみて、和訳が正しいかを見ることでも文法のチェックはできます。ただ翻訳ソフトは、多少文法が間違っていても翻訳してくれたり、その逆もあるので、結果を鵜呑みにすることはおすすめしません。

最後に

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

私の英語力は決して高くありません。TOEICも英検も受けたことはないですが、受けてもとても胸を張って言えるような結果は出せないと思います。

しかし私は英会話スクールや、英会話カフェなどで、たくさんの英語を勉強している日本人に会いましたが、その中でもアウトプットはかなり早いほうだと思います。

中にはTOEICのハイスコアラーや英検1級、高校の先生など、英語の上級者もおられました。恐縮ですが、そんな方々に「どうすればそこまで話せるの?」と聞かれたことも何度もあります。

単純に私は話すトレーニングばかりをやってきたというだけです。効果的な勉強方法はあると思いますが、アウトプットの上達は「とにかく話す」ことだと思います。

私の経験がなにかの参考になれば幸いです。

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